出産というと「仰向けで分娩台に固定されて」というイメージの方が
多いのではないでしょうか?この姿勢では医療者は管理しやすい
のですが、産む女性にとって決して楽ではないし、
生理的でもありません。
出産のケアについて科学的な根拠を吟味したうえでWHOが発行した
「正常出産のケアの実践ガイド」(1996)では
「出産のはじめから終わりまで、姿勢と動きを自由にすること」
「出産中、あおむけ以外の姿勢をすすめること」 が、
「明らかに有効で役に立つ、推奨される
べきこと」となっており、
「出産中、慣例的に砕石位
(あおむけで足を開く姿勢)を
取ること」は「明らかに害があるのでやめるべきこと」
となっています。
お産の経過中に上体を起こした姿勢または上半身を上げた姿勢が、
あおむけに寝る姿勢よりも産婦さんがより快適であるといわれています。
陣痛時の不快感が減り、いきみやすくなり、
痛みもやわらぎ、
お産の時間が短くなります。
当院では産む女性がすごしやすい姿勢での出産を
お手伝いしています。(ただし、医学的に介入が必要な場合は
仰向きになっていただいています。)
※参考文献 WHO勧告にみる望ましい周産期ケアとその根拠.Marsden Wagner/井上裕美・河合蘭監訳.メディカ出版、2002 |